よくある質問5 of 戸畑 土井皮ふ科クリニック

”じんましん”がなかなか治りません?

bind_free122.jpgこれも本当に頻繁に訊かれる質問です。”じんましん”はご存知のようにミミズ腫れの様にやや盛上がったかゆみのあるブツが出没を繰り返す皮膚科では最もありふれた皮膚疾患のひとつです。急に出てさっとひきその後出ないものはいいのですが、やっかいなのは数週間から数ヶ月、いや人によっては年単位で繰り返す慢性のものです。こういったケース、患者様はまずは原因を知りたいと訊いてこられます。もちろんどうして薬を飲んでも効かない、あるいはまずまずでもすぐ繰り返す、なんでだろ〜!?と思われるのは当然だと思います。ただ現時点ではすべての慢性化した”じんましん”の原因を明らかにすることは不可能なのです。何かのアレルギーでは?食べ物?ストレス?内科的な病気による?等々疑われると思いますが結局今のところ色々調べたとしてもその大半は原因不明と言わざる得ないのが現状なのです。特発性、体質的なものと中途半端な答えしか出来ないのです。それでも中には原因がわかるケースもありまた難治性でも時間をかけてそれなりの薬を駆使しながら根気よく治療して行けば徐々に軽快して行くことも広く認められています。付き合いたくはないけど上手に付き合って行かねばならない皮膚病なのです。

これアトピーですか?(これアトピーですよね?)

アトピー性皮膚炎という病名をまったくご存知ない方はおそらくいらっしゃらないのではないでしょうか。ややこしい病名の多い皮膚科の中ではかなり認知度の高い病気です。以前からマスコミ関係をはじめとして公にああだ、こうだとかなり取り上げられたのも影響していると思われます。治りにくい湿疹、皮膚炎はじゃあアトピーだろうと決めつける患者様も少なからずおられます。このあたりの混乱をなくすためにすでに厚労省や日本皮膚科学会が診断基準や治療指針を公表しています。しかしアトピーは便利な病名でそれなりに患者様の方も納得してしまうところがあります。以前程ではないにしろこの病名、一人歩きしてまだまだ上記の質問されることがあるのです。

顔の”湿疹”がなかなか治らないんですが?

bind_free118.jpg広くいわゆる湿疹、皮膚炎は体中どこにでも出来ます。皮膚科ではその出来方、部位、経過等によっていくつもの疾患に分類されています。その中でも特に女性の方のしつこい顔のそれは訴えが多いようです。例えばアトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、明らかなカブレ、虫さされ、ならまあ診断にも問題はないのですが、かなり経過の長い繰り返す顔の”湿疹”は特定の病名もつけられないものも多く説明に苦慮することもしばしばです。適切な比較的軽めの外用剤を塗ればまずまずだけどまたすぐ再燃する。特定のカブレの原因が明らかでない場合は多くは皮膚乾燥等の皮膚のバリア機能の低下をベースに種々の何らかの刺激(何らかがくせ者でしょうが)が加わり頑固に繰り返しているケースが多いと思われます。ただ”今まではどうもなかったのになぜ?”と訊かれることもしばしば。これには正直根拠のある返答ができる医者はいないのではないでしょうか。”皮膚の体質が徐々にあるいは急に変わることもありますからね”と答えるのが精一杯のように思います。よくある症状だけどある意味難しい皮膚病です。