この皮膚病はいつになったら治るんですか?
皮膚科医に限らず他科の医者にとっても非常に悩ましい質問です。一般に慢性のしかも原因が特定できない皮膚疾患が根治する時期を正確に予測することはおおよそ不可能と言わざるを得ません。慢性のじんましんや年余繰り返している慢性の湿疹、皮膚にかさかさの赤い斑点が広がる乾せん、手足に膿みを持ったぶつを繰り返す掌蹠膿ほう症 等でよく聞かれます。疾患によってはある程度の予後について説明出来るものもありますがいつ頃なおる!とまでズバリ自信を持って患者様に言ってあげれない場合が残念ながら多いのです。私はとにかく根気よく上手に付き合いながら(付き合いたくはないでしょうが)治療しましょうとお話しています。
アトピーがなかなか治りません!?
上述の内容と関連しますがこの質問も皮膚科医にとってかなり頭の痛いものです。確かにアトピー性皮膚炎はいずれは根治しますがかなり時間のかかるやっかいな皮膚病であることには間違いありません。ただ多くのアトピー性皮膚炎の患者様はまったくの治療なしでかゆみや湿疹が0の状態を目標にされている方が結構多いのではないでしょうか。実は生活の質(QOL)をさほど落とさずに病状をコントロールすることは患者様のモチベーション次第ではそんなに困難なことではありません。ごくオーソドックスな治療をきっちり実行できるかどうかなのです。治らない!ではなくて日常生活のレベルを維持できる程度にまずまずの状態を保つことに目標を緩めてみませんか。
お風呂は入っていいでしょうか?
確かに毎日のお風呂は特に日本人の一つの楽しみでしょう。まずは冬場に多い皮膚の乾燥に起因するかゆみや湿疹の方、アトピー性皮膚炎の方は温めのお湯で長湯せず皮膚をゴシゴシ洗わないことを守れば特に制限はありません。要は皮膚の洗い方が問題になります。特に日本人はとかく皮膚を洗い過ぎる傾向にありますのでご注意を。夏場に多いとびひなどはその程度にもよりますが風呂上がりにきっちりと付け替えが出来れば可能です。皮膚のキズや潰瘍等も明らかな感染なく程度が軽ければ可能です。その他皮膚病の種類、程度によって対応が違ってきますので皮膚科主治医に確認されることをお勧めします。