”あせも”ができました?
”あせも”の訴えが夏場は多くなります。皮膚科的には比較的表面の汗腺がつまってできる水晶性汗疹(透明で小さなぶつぶつ)と、それよりやや下部で汗腺がつまってできる紅色汗疹(やや赤い小さなぶつぶつ)とがあります。日常診療で診る”あせも”はほとんど後者でしかも痒みのため掻いて種々の程度に湿疹になった状態がほとんどです。つまりほとんどは正確には純粋な”あせも”の状態ではありません。これに加えて元々アトピー性皮膚炎等があり汗のたまる部位が悪化している場合や接触皮膚炎(かぶれ)が混じり合った状態等を診察する場合が多いようです。ともあれ夏場の湿疹、皮膚炎症状の第一の悪化因子は汗ですから上手な汗対策は欠かせません。
虫に刺されました、何の虫ですか?
虫さされの訴えも夏場に急激に増えてきます。患者様の方から虫に刺されました!と言って来る方、こちらの診断で虫刺されとわかり納得される方、診断しても納得されない方、こちらが診断に苦慮する方、色々です。まずはハチ、アブ、ムカデあたりは問診等で明らかです。ブユ、ノミ、シラミ、ダニあたりになるとそれぞれ刺された部位、症状等である程度判断はできますが断定は難しいです。このあたりの虫は絶対これです!と言ってあげれないところがあります。ただ患者様は刺された虫の種類が皮膚科ならわかるものと期待?されて受診されるようでその期待に沿えないこともままあります。同じ虫でも個々にその症状、反応が異なりますから絶対この虫とは言えないのです。どうしても知りたい!と言われる患者様には刺した虫をつかまえて持ってきて下さいと少々ジョークを交えてお話することもあります。
”いぼ”がなかなかとれません、何かいい方法はないですか?
開業すると”いぼ”の患者様の多さに驚かされます。手の”いぼ”はもちろんのこと足、四肢、顔等体以外の部位(体にできることもあるが)にはどこにできてもおかしくないくらいです。”いぼ”はウイルスが原因なのですが意外と知られておらずよく原因を聞かれます。そしてさらに困るのはこの治療法がここ数十年進歩していないことでしょう。基本は液体窒素(-198度)で冷凍凝固することですが1、2回でとれることの方がまれです。特にやっかいなのは足底にできる”いぼ”、多発した”いぼ”です。非常に難治で相当回数の冷凍凝固が必要ですしドロップアウトされる方もままあります。その他いくつかの治療を組み合わせて工夫しながら治療しますがなかなか時間がかかります。とにかく個数の少ない小さな大きさの時に早めに受診して下さい。