知って得する皮膚病あれこれ 〜子どもさんやお孫さんの大切な皮膚を守るために〜
以下の項目を順次解説していきます!
#皮膚ってどんなもの?どんな役目があるの?
#赤ちゃんや子どもの皮膚は大人とどう違うの?
#赤ちゃんや子どものスキンケアの基本やノウハウは?
#”かゆみ”って何?どうしてかゆくなるの?
#よく見られる赤ちゃんや子どもの皮膚病にはどんなものがあるの?
#どうやって治療するの?市販薬でいいの?病院へ行った方がいいの?
#赤ちゃんや子どもの皮膚のトラブルでよくある質問
皮膚ってどんなもの?どんな役目があるの?
皮膚は上層から角質層、表皮、真皮、皮下組織の構造で体の中の最大の臓器です。(成人で約3kg)最外層には弱酸性の天然クリームである皮脂膜が、角質層には水分を保持するセラミド等の細胞間脂質が皮膚を保護する大切な働きをしています。表皮は角化細胞という表皮の細胞でびっしり埋め尽くされ基底層から生まれた細胞が有棘層、顆粒層を経て角質層に到達、皮膚の表面から剥がれてとれます。この皮膚の細胞の新陳代謝は約1ヶ月で一定しています。真皮では約90%を膠原線維が占めその主成分であるコラーゲンが皮膚のはりを支えています。
皮膚は紫外線、気温の変化、細菌等の外からの刺激から体を守る”保護作用”、暑い時は汗を分泌して体を冷やし寒い時はギュッと収縮して体温を逃がさない”体温調節作用”、痛み、かゆみ、暑さ、寒さ、触覚等の感覚を脊髄や脳の中枢に伝える”知覚作用”、そして細菌やウイルスに対する防御反応やアレルギー反応を起こす”臓器”としての”免疫作用”等大切な役割をになっています。
赤ちゃんや子どもの皮膚は大人とどう違うの?
生まれたての赤ちゃんの皮膚のイメージはどうでしょうか。実は生まれたての赤ちゃんの皮膚は右図のように頭皮と額はやや皮脂量が多くべたつきやすいですがそれ以外の部位は意外にもカサカサ状態なのです。特にお腹あたりはかなりカサカサが目立ちます。さらに生後2ヶ月を過ぎると全身の皮脂分泌量が一気に減りさらにカサカサ状態となります。また赤ちゃんの皮膚は薄く大人の約半分の厚みしかありません。さらに赤ちゃんはよく汗をかき一見皮膚が潤うかの印象もありますがこれは間違い、種々の刺激成分を含んだ汗はいわゆる皮膚のバリア機能を低下させます。これだけ赤ちゃんの皮膚はデリケートで出来るだけ早くから保湿剤によるスキンケアが必要であることがおわかりになるでしょう。
生まれてすぐからのスキンケアで健康なうるおいのある皮膚を!
左図は生後24時間以内にスキンケアを始めた赤ちゃんと何もしていない赤ちゃんのお腹の皮膚の皮脂量と水分量を比較したグラフです。明らかに早くからスキンケアしている赤ちゃんの皮膚がしっとりうるおいがあることがわかります。さらに一般に皮膚のバリア機能が出来上がる3歳頃までは子どもの皮脂量は増えるどころか明らかに減少しますから毎日のスキンケアが非常に大切と言えます。
赤ちゃんや子どものスキンケアの基本やノウハウは?
赤ちゃんのスキンケアの基本5か条は右図の通りです。(右図をクリックして下さい)
〜赤ちゃんのスキンケアQ&A〜
Q:赤ちゃんの入浴の温度と時間はどれくらい?
A:湯温は最高でも39度まで、入浴時間は3分を目安に!
Q:赤ちゃんの肌の洗い方はどうするの?
A:全身をたっぷりの泡で「手」でやさしく洗いましょう!
Q:スキンケアのための保湿剤の塗り方はどうやるの?
A:”たっぷりの量”、”こすらず”、”上から下へ一定方向”のばすように塗りましょう!
Q:どんな洗浄剤や保湿剤を選べばいいの?
A:肌にやさしいのはもちろん、使いやすさも大事!
Q:入浴後のスキンケアは?
A:入浴後10分以内に水分を拭き取り保湿剤でスキンケア!
Q:汗をかいた時はどうすればいい?
A:必要以上に汗をかかせない、かいたらすぐ拭くのも大事!
Q:赤ちゃんに日焼け止めは使っていい?
A:赤ちゃんは紫外線の害をうけやすいのでぜひ使って下さい!
Q:赤ちゃんのスキンケアは肌を甘やかすことにならない?
A:甘やかすどころか一生モノの丈夫な皮膚につながります!
Q:夏の室温はどれくらいが最適?
A:比較的汗をかきにくい25度未満!
Q:部屋の湿度はどれくらいが最適?
A:乾燥しにくい50〜60%程度!
Q:赤ちゃんに着せる服の枚数は?
A:赤ちゃんは体温が高く、新陳代謝も活発で汗かきなので大人より1枚少なめで!